大滝麻未さんの子育て日記 「2日間 夫の大奮闘」

みなさんこんにちは!
先月、奏喜(かなと)が生まれてから初めての単身1泊の出張がありました。不安以上に「大丈夫」と思えるのは、子育ての全てを夫と2人で分担しているからです。柚生(ゆずき)には「寂しくないよ」と言われ、安心して出発することができました。参加したのは、医療的ケアが必要な子どもやその家族を支援する一般社団法人「Burano」さんが「誰もがキャンプを楽しめる世界を!」というビジョンのもと実施している「INCLUSIVE CAMP」というプロジェクトです。日本財団が運営する、社会課題解決の輪を広げるためのプラットフォーム「HEROS」のアスリートとして、参加した5家族と1泊2日のキャンプを思い切り楽しんできました。
私の留守中、夫は2人を楽しませようと大奮闘!まだまだ親のコントロールが利かない柚生と、歩き始めで見るもの全てに興味がある奏喜を連れてのお出かけは想像以上に大変です。成功の鍵は場所選び。2人が楽しく体を動かせて、広すぎず、飛び出しの心配もない室内という点でアンパンマンこどもミュージアムを選んだようです。以来、奏音はアンパンマンが大好きに。テレビなどで見かけると「パンパン!」と指さして喜ぶようになりました。
食事は少しでも楽になるよう、前日の夜に2日分を作り置きして、託しました。毎食後、お皿に盛り付けた写真と食べ終わりの写真が「おいしかった!ごちそうさま!」のメッセージとともにスマホに届くのが2日間の楽しみでした。ハプニングもあったようです。自宅で食事中に柚生がトイレに!奏音を1人で置いていけないので、仕方なく椅子ごと奏音も連れていったそうです。廊下でもおいしそうにご飯を頬張る奏音の写真も送られてきました。大変なこともあったようですが、なんとか2日間乗り切ってくれました。
帰宅後、日帰りだと「お土産は?」とまず聞いてくる柚生も、さすがに「寂しかった」とギューをして迎えてくれました。自分が子を持って日々思うことがあります。それは「この世界が、この子たちにとって少しでも住みやすい世界になってほしい」ということ。わが子だけではなく、すべての子どもへの思いでもあります。知らないから声をかけられない、そんな自分を越えたくてキャンプに参加しましたが、「知る」ことがそんな世界を作り出す一歩になる、と改めて感じました。2人にもいろいろなことに触れ、知るきっかけを与えることが親としての役目と感じた2日間でした。

女子サッカー元日本代表。夫は英国とイタリアのハーフ。1歳3歳の兄弟を日英伊の3カ国語で育児中。

2025年9月24日(水)東京新聞朝刊くらし面 子育て

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