2025/09/09 日刊スポーツ新聞社会面「出血しても歯間ケアは続けて正解」正常な免疫応答 歯学博士 照山裕子の口福のヒント <21>
歯間ケア時に出血したからといって中断するのは逆効果であり、むしろ継続するのが正しいと語られています。歯ブラシだけでは歯の汚れの6~7割しか除去できず、デンタルフロスなどによる“歯間ケア”が必須とされています。出血はバイオフィルム(プラーク)によって引き起こされた炎症のサインであり、免疫が正常に働いている証拠との見解です。したがって、出血してもケアを継続し、殺菌・抗炎症成分が含まれた歯磨き剤や洗口液の併用が推奨されます。nikkansports.com
- 歯ブラシだけでは不十分
歯垢は歯間に残りやすく、口臭や歯周病のリスクになるため、デンタルフロスなどでの徹底的なケアが必要です。 - 出血は異常ではなく正常な免疫応答
出血は、細菌のバイオフィルムに対する体の防御反応であり、炎症を起こした歯肉に血液が集まるため起きます。それは治癒のプロセスの一部です。 - 出血があってもケアは続けるべき
出血を恐れて中断すると、問題の原因—バイオフィルム—を取り除くことができず、状況が悪化します。改善のためには負けずに続けることが重要です。 - ケア用品の選び方も重要
殺菌・抗炎症成分配合の歯磨き剤や洗口液を併用することで、より効果的に炎症が抑えられます。
補足情報:専門家による背景・理由
- 継続で炎症が改善される事実
歯間ブラシでのケアは、1~2週間続けることで歯肉の炎症が治まり、出血が少なくなることが多いとされています。 - 「出血してこそ効果あり」の理屈
炎症した歯肉にあえて刺激を与えることで、プラークが除去され、炎症が鎮静化するといった見方もあり、「歯茎から悪い血を出す」という意味で、治癒が早まる可能性があると言われています。 - 歯磨きでも同様に効果あり
一般的な歯磨きでも出血があっても継続すれば圧倒的に改善されるという実験結果もあり、「血が出る=ケアをやめる理由にはならない」との意見があります。