2025/09/05 朝日新聞朝刊社会面「自転車ルールブック 警視庁作成『ながら運転』即、青切符」踏切立入り・ブレーキ不良も
警察庁は、2026年4月1日から自転車の交通違反に対して反則金を科す「反則通告制度(青切符)」を導入する方針を受け、これに先立ち「自転車ルールブック」を作成し、同庁のウェブサイトで9月4日から公開した朝日新聞。
この冊子は、交通ルールの基本や違反時の処理方針などをまとめ、「指導・警告」を基本としつつも、特に危険性が高い行為には例外的に青切符を現場で即交付する扱いを明記している警察庁。
・青切符導入の全体像
来年4月から、自転車利用者の交通違反に対して反則金を納めれば刑事罰を科さない青切符制度が導入される予定で、16歳以上の違反者には対象違反113種が設けられる。一方、酒酔い運転など重大違反24種は対象外で、刑事処分の対象となる赤切符扱いとなる。
・「ながら運転」など3つの危険違反は即、青切符
スマホを手に持って通話または注視する「ながら運転」(反則金1万2000円)、遮断機が閉まった踏切への立ち入り(7000円)、制動装置不良など(5000円)の3種は、重大事故につながるおそれが高いため、現認された場合、指導・警告を経ずに即、青切符の対象とする。
・ルールブックの構成と意図
冊子には以下の内容がまとめられている警察庁:
- 青切符制度の背景と手続き
- 自転車安全利用五則(例:車道原則/歩道は例外、信号・一時停止、夜間ライト点灯、飲酒禁止、ヘルメット着用)
- 指導・取締りの基本方針(重点区域や時間帯も示す)
- その他の処分(運転講習、免許停止等)
- 違反状況ごとの危険性の説明など
記事ではネットの反応を明記しているわけではありませんが、TBS「Nスタ」の関連報道には読者の声が紹介されています。
- 30代女性:「後ろから大きな車が来てたりすると怖いので、そういう時は歩道を走ります。後ろに(子どもを)乗せていると、あんまり危ない道を通りたくない」TBS NEWS DIG
→ 家族を乗せての走行など、安全面を重視して歩道を選択する実態があることを示唆。 - 60代男性:「(歩道通行は)やっぱり危険なことが多いですよね。ばんばん取り締まってほしい」
→ 歩道を走る自転車の存在そのものに危険や強い不満を感じており、取締り強化を望む声。
また、TBS報道によれば「歩道通行」については基本的に指導・警告にとどめつつ、危険な振る舞いがあった場合は青切符(反則金6000円)を即交付すると明記されていることが紹介されている。
警察庁が作成した「自転車ルールブック」は、自転車利用の安全性向上を目指す施策において、制度導入前に市民への周知と意識づけを図る重要な資料となっています。青切符導入により、軽微ながら安全に関わる違反行為にも罰則措置が生じることが強調され、特に「ながら運転」など命に関わるリスクが高い行為には即対応する姿勢が明確にされました。
一方で、現実には道路状態や子連れ状況などから歩道通行を選ばざるを得ない人もいるという声があり、安全強化と市民のニーズの調整が今後の課題として浮き彫りです。制度の実効性を高めるには、罰則だけでなく、安心して車道が走れる環境整備(車道の整備・教育・啓発など)との両立が必要と思われます。