「黒い板」から「相棒」へ 簡単シニアのスマホ活用術 講師 恒川年昭 2025年10月10日(金)東京新聞朝刊暮らし面生活 介護・シニア

朝昼晩とにかく触る!

 皆さん、こんにちは!私は8年ほど前、大手携帯電話会社の店舗でスマートフォン教室の講師をしていました。
その後、市民活動団体を設立し、これまで5万人以上の方々にスマホの「壁」を乗り越えるお手伝いをしてきました。
スマホは、触らないとただの「黒い板」。しかし、その「板」の奥には、皆さんの人生を豊かにする無限の可能性が広がっています。これまで想像しなかったような便利な世界が手に入るのです。
「スマホは難しい」と感じている方。ひょっとして、豊かな人生経験から「きっと複雑に違いない」と先回りして考えてしまっているのではないでしょうか。それはすばらしい知恵である一方で、新しい一歩を踏み出すのをためらわせる壁になっているのかもしれません。これからはその壁を、一緒に少しずつ取り壊していきましょう。私がスマホ教室でいつもお渡ししていた1枚のテキストがあります。内容はシンプル。「スマホを使う目的をつくりましょう」。そして、その例として以下のようなことを紹介しています。
①電話(かける、受ける)
②写真(撮る、加工、見る)
③インターネット(調べ物、気になる情報を探す)
④地図(目的地探し、道案内)
これらを順番に試してみることをおすすめしています。もしかすると「そんなこと?」と思うかもしれませんが、これが実はスマホに触るくせをつける一番の近道なのです。「朝、昼、夜と、少しずつでいいら、とにかく触る!この繰り返しの作業が、慣れるためには本当に大切なんです。民間の調査によると、シニア世代のうちの89%がスマホを持っているそうです。しかし、私が教えてきた方々の9割ほどは、その機能を十分に使いこなせていませんでした。高性能な車を持っているのに、近所のスーパーにしか乗って行かないようなものです。「何だか怖い黒い板」は、あなたにとって「頼れる相棒」に変わる可能性を秘めています。一緒に、新しい扉を開いていきましょう。
(ご)当地スマホ倶楽部協会代表)
=隔週金曜に掲載します

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