消防局団連携 命守る 横須賀市「機動部隊」訓練重ね 土砂災害 重機で救助迅速化へ 2025年9月26日(金)東京新聞朝刊地域の情報面

「土砂崩れで家が埋まった。居住者の安否は不明。道路もふさがれ車両の進入は難しい」―23日に市内で行われた訓練は、そんな緊迫した設定で行われた。最初に消防局LTFのバックホー(ショベルカー)が障害物を慎重に乗り越えて現場に進入。続いて消防団LTFのバックホーやホイールローダー(タイヤ走行のショベルカー)が岩や倒木を手際良く取り除き、救急車が入る道を確保する。家屋倒壊現場では両LTFがそろって、重機や手掘りで救助活動を行った。「局・団」連携は注目度が高い。近隣自治体に加え、横浜、川崎、相模原各市も訓練に視察団を送った。市によると、自治体と消防団ともに同様の部隊を持つのは、全国でも限られているという。LTF発足のきっかけは、女子高生が亡くなった2020年の逗子市内での土砂災害。消防団長の宇内正城さん(68)は「今後の土砂災害で障害物を迅速に取り除けば、助かる命があるかもしれない」と考え、同年、自身が経営する宇内建設から消防局にバックホーを寄贈。21年にはホイールローダーも寄贈し、23年の消防局LTF発足につながった。消防団でも今年4月にLTFの運用を開始。市と協定を結び、災害時は宇内建設の重機10数台がフル稼働する。23日の訓練で重機を操縦した消防団LTFの玉沢博さん(59)、泉沢泰祐さん(47)は「命を守る仕事でやりがいがある」と声をそろえる。普段は水道工事に携わる、頼もしい重機のプロたちだ。
鈴木純也消防局長は「土砂災害は時間との闘い。市民から重機のノウハウを学び、力を合わせて安全を守りたい」と話していた。

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