スマホ2時間条例 可決 1日の目安 施行後に検証も 愛知・豊明 2025年9月23日(火)朝日新聞朝刊社会面
愛知県豊明市のスマートフォンなどの適正使用を推進する条例案が22日、市議会本会議で賛成多数により可決された。
全市民が対象で、余暇時の使用を1日2時間以内、小学生以下は午後9時まで、中学生以上18歳未満を午後10時までとする「目安」を示したもの。全市民を対象とした適正使用を定めた条例は全国初という。
施行は10月1日。条例は理念条例と位置づけられ、罰則や強制力はない。睡眠時間を確保するため、家庭での話し合いやルールづくりを促す狙いがある。適正使用が求められる行為に、インターネットやアプリなどの機能を利用した情報の閲覧や視聴を挙げる。一方、狙いが余暇時間の適正使用を促すことにあるため、家族や友だち同士で楽しむゲームや仕事、学習などでの使用は該当行為に含まれないという。
条例の施行により、市教育委員会などは、過剰使用への相談支援をするほか、家庭でのルールづくりの検討状況や睡眠時間の変化などについてのアンケートを実施するという。
不登校の子がいる親の悩みをきっかけに条例作りが動き出した。小浮正典市長は「一律2時間という言葉だけが独り歩きし、誤解を招いた。過剰使用を見直し、睡眠時間を確保するため、まずはセルフチェックをして、ルールづくりなどを家族で話し合ってもらうきっかけになれば」と話した。
市によると、条例案が公表された8月20日からの約1カ月で電話やメールなどで賛否について約320件の意見が寄せられていた。本会議でも「市民から事前に意見を聞くべきだ」「不登校とスマホの過剰使用には科学的な根拠がない」などの意見が出された。
賛成した議員からは、条例施行後についても、誤解のない丁寧な説明や定期的に効果や市民の反応を検証し、必要に応じて条例を見直すなどとする付帯決議が出され、賛成多数で可決された。(松永佳伸)
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