2025/09/12 朝日新聞朝刊経済総合面「新NISA『さらに拡充を』米投信協会CEO国内限定枠は批判」
米国を中心とした資産運用会社の業界団体である米投資信託協会(ICI)のエリック・パン最高経営責任者(CEO)が朝日新聞のインタビューに応じた。
新NISA(少額投資非課税制度)について、「非常に大きな成果を出した」と評価した上で、iDeCo(個人型確定拠出年金)とともに「さらなる上限額の引き上げが望ましい」と語った。
ICIには、国内大手の野村アセットマネジメントやアセットマネジメントOneも加盟。加盟企業の預かり資産の合計は47・8兆ドル(約7千兆円)に上る。
パン氏は「若い世代が早い時期から投資を始め、長期的な運用でリターンを得ることが重要だ」と語る。
日本では全世界株式(オール・カントリー)や米国株式(S&P500)など、指数に連動したインデックス投信に人気が集中する。一方、パン氏は「さまざまな他の選択肢があることも顧客にとってメリットがある」と言及。例えば、米国では「ターゲット型」投信が人気だという。若いころは株式を中心に運用し、退職が近くなるにつれて債券中心の安定運用に切り替えるといったタイプの商品だ。長期の資産形成に適しているとされ、米国では確定拠出年金(DC)における資産の構成で、2006年はシェアが約4%だったが22年には約39%に伸びたという。
日本国内のNISAは投資先の大半が米国株に流れている状況にあり、一部の政治家からは国内企業に限定した投資枠を求める声もある。パン氏は「投資家は成長している企業に投資すべきだ」と指摘。「単に米国に向かっているからといって制約すれば近視眼的だと言わざるを得ない」と批判した。(柴田秀並)